勝間和代さんの新刊、「勝間式ロジカル不老長寿」を読みました。
今月13日に発売された本です。
どんな本?
YouTuberとしても活動している勝間和代さんの、長寿に焦点をあてた本。
長生きをしたときの「リスク」をうまくマネジメントしつつ、幸せに過ごす方法を深掘りしています。
長生きの3つのリスク
本書では、長生きの主に3つのリスクがあると言われています。
- 身体的衰えのリスク
- 金銭的収入減のリスク
- 社会的つながり減のリスク
特に女性は、1つめについては健康に気をつかう人が多いのである程度リスクヘッジできているのではないかと思います。
個人的には2,3がポイントだと感じました。
本のなかで、いくつか印象的だったところをピックアップします。
下半身の筋肉は加齢とともに減少しやすい
身体について一番興味深いと思ったのがここ。
本には日本人の筋肉量が加齢とともにどのように変化するかのグラフが載っているのですが、上半身、体幹、下半身の3つのうち、下半身だけは20歳以降右肩下がりでどんどん下がっています。
上半身に比べて、下半身の筋肉を維持するために何かしらの運動が必要なことが一目瞭然。
逆に、上半身のグラフは20歳から100歳までそこまで筋肉量が変わっていなくて、意外でした。
私たちは無意識的に高齢者を避けている
人は本能的に高齢者差別的な見方をもっている、とはっきり書かれています。
病気にかかっていたり、病気が進行している年寄りのそばには、なるべく近づきたくないと考えてしまうものなのです。これはもう、どんなに否定しようとしても、本能的なもの
・・・
高齢になった人とあまり付き合いたくないと直感的に思うのは、見かけが死へのイメージを喚起しやすいのと同時に、自分たちと価値観やセンスが合わないのではないかということなのです。
個人的には、親や関わりのある高齢者については、近づきたくないとは思いません。
けれど、後半の”価値観に関する違い”については、思い当たるふしがある。
どうしても、自分の世代から見ると現在の高齢者世代は、体罰や男女差別、セクハラパワハラなどに対する意識が違うことが多いものです。
近づきたくないとまでは言わないけれど、警戒心みたいなものは自分の中にあると思うのです。
話がかみ合わないのではないか、という恐れのような。
自分が高齢者になったときにそう思われないためにも、その時代にあった価値観へのアップデートは大事だな、と思います。
ここでは、避けられないためには「老化のマイナス面を補って余りある魅力を身につけること」と書かれていました。つまり、歳をとったらああなりたいな、と思われるような人になること。
女優の石田ゆり子さんが若い世代からも憧れられるのは、そういうことでしょう。
外見面で彼女のようになれる人はごく一握りだと思うけれど、歳を重ねたならではの知性や包容力、気持ちの若々しさは持っていたいものです。
仕事を続けることの重要性
「仕事」を続けることで、年金以外のフロー収入や社会的つながりを得ることができ、2,3のリスクを補うことができると強調されています。
勝間さん自身がアーリーリタイアした人や年金生活に入った人を見てきた中で、自分でお金を稼ぎ続けている人とそうでない人は、まったく違う人種になるそう。
後者はお金の使い方が渋くなり、なるべく減らさないように、という生活になっていきます。
自分の父親を見ていても思うことですが、定年退職後は負担の軽い仕事を週に3日ぐらい続けていて、やっぱりイキイキしています。
少額でも、年金以外にフロー収入があるというのは心持ちが全然違うもの。
続けられる限り続けて行ってほしいと思うと同時に、自分も歳をとったらこんな感じで細々と仕事を続けられたらと思います。
おわりに
勝間さんは4人兄弟の末っ子だったために、自分の父母や叔父叔母の老化を目の当たりにし、長生きリスクのマネジメントは少なくとも40代から、遅くとも50代までに始めないと、と感じたそうです。
私も末っ子で、同い年の長男長女の友達より親は歳をとっているので、その感じはよくわかります。
わりと老後については考えていた方ではあるけれど、一番とどめを刺したのは更年期が早くから始まったことでした。
いまは体調は落ちついていますが、もう”更年期”という響きが老後を意識せざるを得ないような気もする。
女性に健康に気をつかう人が多いのは、男性よりも更年期が重く、老化を早めに意識するからなのかもしれません。
本自体は、読みやすく、短い時間で読めるのでおすすめです。
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