「隠居生活10年目 不安は9割捨てました」から知る、自分を生きるためのヒント

書評・ブックレビュー

20代から隠居生活をして有名になった、大原扁理さんの「隠居生活10年目 不安は9割捨てました」を読みました。

今年の2月に出版された本です。

彼の生き方や考え方が好きでこれまでの著作も読んでいるのですが、今回も「自分を生きる」ためのヒントがつまっています。

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どんな本?


「年収90万円で東京ハッピーライフ」で有名な大原さん。

今回は”不安”をテーマに、不安との向き合い方や手放し方を綴った1冊です。

不安が軸にはなっていますが、これまでの彼の考え方の総まとめ的な部分もあり、初めて読む人にも読みやすいと思います。

特に

  • 子ども時代に家庭が安らげる場所ではなかった人
  • 人の目を気にしやすい人
  • 内向的な人

は共感しやすく、心地よく生きていくヒントになる内容ではないかと感じました。

いくつか印象的だったところをピックアップします。

「いいね!」と思ってないのに「いいね!」しないこと

「いいね!」というとすぐSNSのいいねを思い浮かべるけれど、それだけを指しているわけではなくて。

人との関わりの中で、そこまでそう思っていなくてもつい同調してしまうことって、あったりする。

でもそういうことを積み重ねてしまうと、言葉に力が失われて、自分が言うことが何にも響かず、誰にも届かなくなっていく。

きちんと言動に力を与えるためにも、思ってもないのになんでも「いいね」しないことを提案されています。

世界の大きさを、自分で決める

主観的世界が小さければ小さいほど、不安が発生してもすぐに気がつけるし、手も届きやすい。

自分が決めた範囲なら、責任をもてるし、自分の機嫌を自分ですぐにとることだってできる。

私自身、キャパはそんなに大きいほうではなくて、忙しくなりすぎて小さなことが気遣えない状態になるのは、世界を広げすぎてしまったときだと思うのです。

自分のちょうどいい世界の範囲を知っておくのは本当に大事だなと。

視覚を支配されなければ、望まない主観的世界の広がりを抑えられる

ニュースとのつきあい方ですが、人間の知覚というのは83%を視覚に頼っているそうで、嫌でも目から入ってくる情報にものすごく左右されます。

大原さんはラジオがあっていて、情報の味付けが淡白なので必要以上に不安にならずにすんだそう。

私はニュースはラジオで聞く習慣はなくて、ネットでテキストで読むことが多いのだけど、画像メインのインスタなどは、ときに自分の感情がよくない方へ揺さぶられるときがあります。

視覚情報で新しい世界を知れる反面、意識してないと感情が振り回されるのも事実。

デジタルデトックスはまずは画像や映像から、が無理がなくていいのかもしれません。

おわりに

大原さんの語り口は、すべてを達観したようなゆるさと温かさがあります。

子ども時代に家庭でも学校でも壮絶な体験をされてきたことがこの本でも書かれていますが、だからといってその経験があったから今の自分がある、とは決して言っていません。

むしろ

私はつらい経験をむりやり正当化しなければいけないことほど、つらいことはないと思う

とはっきり言っていて。

このことに共感する人ほど、この本のメッセージは沁みるのではないかと思います。


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